奈良ほどく舎 

フルコト・ことのまあかり主催のイベント・講座などです。色々な場所で開催します。

2月11日(日・祝)朗読劇「夜長姫と耳男」

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東京で活躍する儚組さんが、ことのまあかりで朗読劇を開催してくれることになりました!
演目は坂口安吾の「夜長姫と耳男」
この話の舞台は奈良時代ではないかと言われています。
奈良から離れた飛騨に王朝があったら…。
そんなことを思いながら、
当店の飛騨の匠が作った椅子に座り、
飛騨のお菓子を味わいながら
アカダマさんから受け継いだミロクのお面が飾ってある当店で、仏師・耳男が主人公の「夜長姫」の世界にぜひ浸ってください。

(現在上村恭子がチラシイラストを製作中です。お楽しみに)


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台本・演出/面高純一
原作/坂口安吾
出演/船井那女

東京で年間数回の文学カフェを企画している儚組が、縁あって奈良を訪れることになりました!
坂口安吾の恐ろしく美しい物語を、古の都に惹かれたような血の流れる朗読劇に仕立て上げます。
澄んだ真冬の昼下がり、文豪にゆかりのあるレトロなカフェで、美味しいお茶を片手に、
孤独で愛おしく詩的な文学世界を、どうぞご堪能下さい。


日時 2018年2月11日(日) 

1st 13時~
2nd 15時半~
定員 各10名前後
入場料 2500円(お菓子・飲み物つき)

お申し込みは下記から

ws.formzu.net

 

うちのスタッフ伊藤の紹介文を記載しておきます

来月2月11日(日) 13:00 から、ことのまあかりで、
儚組さんが朗読劇『夜長姫と耳男』を開催してくれます。
 
 
『夜長姫と耳男』は坂口安吾の短編です
 
飛騨随一といわれた匠の弟子である耳男が、
師匠のかわりに長者の元に向かいます。
そこで与えられた仕事は、
長者の娘・夜長姫が持つことになる護身仏を、
3人の匠に競わせて彫らせるというもの。
ところが姫は残虐で、
耳男の大きな耳と馬のような顔を馬鹿にし、
奴隷娘の江奈古と二人で無邪気に
耳男の耳を切り落としてしまいます。
 
耳男は夜長姫のために、
仏像ではなく蛇の血をすすりながら
恐ろしい化け物の像を彫ります。
 
 
演劇ファン、
歌舞伎ファンであれば、
昨年2017に上演された、
野田秀樹作・演出の
歌舞伎『野田版 桜の森の満開の下』は
この『夜長姫と耳男』と『桜の森の満開の下』が
ベースになっていたことをご存知かと思います。
耳男を中村勘九郎が、
夜長姫を中村七之助が、
演じていました。
 
 
さわやかな話ではないし、
わかりやすい話でもないのですが、
夜長姫の中には高貴で無邪気で残虐な一本の筋があり、
耳男は夜長姫に激しく憎悪し恐れがつつも、
心を揺さぶられ縛られて魅かれている。
いろんな解釈の仕方ができ、
いろんな演じ方ができる物語です。
朗読ではなく、
朗読劇なので、
文字で読むと古風でやや読みづらい物語が、
彼女の解釈にのせて
入ってくると思います。
 
現代的な表現じゃないから
読みづらいんですよね、原文。
でも、
 
ただ残虐なだけなら
逃げればいいだけなのに、
耳男を通して
夜長姫の細かな表情や反応が、
事細かに描写されていて、
耳男が姫から目をそらせていない、
トリコになってしまっているのが
読者にもわかるし、
耳男にも自覚がある。
それはなぜなのか、
姫の何がそうさせているのか、
というところが、
はっきり書かれていなくて
もやもやするんですが、
キャラクターとして
目の前で表現してもらうと、
わからないなりにも
ぼんやりと
わかりやすかったりすると思うのです。
http://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42614_21838.html
 
お時間ありましたら、
ぜひご鑑賞くださいませ。
読むのではない楽しみ方ができると思います。
 
 
ちなみに、近藤ようこさんが漫画化した『夜長姫と耳男』が2017年10月に文庫になっています。(近藤ようこさんは『死者の書』とか、セレクトする題材が渋いですね。彼女の画風によくあってると思います)
 

 

 

演者 儚組・船井那女

(儚組について)

儚組は2006年に結成した、演劇ユニットです。
当初は劇場を中心に舞台劇に取り組んでおりましたが、
2009年より文化財やギャラリーでの詩劇を中心に企画を重ね、
2015年からはカフェでの朗読劇を年に数回、製作しています。
映像からインターネットに移り行く時代や社会の中で、
演者と観客に多くの緊張を強いる劇場型演劇の不自由さでは表現出来ない、
けれど生身のパフォーマンスでこそ得られる情動の共感を求めて、
お客様に、ささやかで文学的で劇的な空間をお楽しみいただきたいと思っています。

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儚組さんのサイトはこちら

hakanagumi.jimdo.com